[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「・・・勘右衛門」
先ほどまで一緒にオリエンテーリングのことを話していたというのに。
視線の先には勘右衛門の姿を捕えるも、もう二度とその目がこちらを向くことはないのだと悟った。
ああ、彼もあちらの人間だと、少し前から気付いていたのに。
表と裏は混じらない。
常に線を引いて、白と黒とを分けている。
決して灰色になることはないのだ。
一年生の忍たまに囲まれながら笑っている彼に、少し嬉しくなる。
彼はこれから光のあたる場所に行くのだ。
他の五年生、例えば三郎に雷蔵、兵助、八左衛門たちに囲まれて。
嬉しいと感じるのに、少しの寂しさを胸に寄せる。
無は有を生みはしない
彼らの時もそうだった。
今の五年生だけでなく、その他の学年の時もそうだった。
否、全てにおいてこの世界はそうなのだ。
メインとサブは相容れない。
あの一年生たちが入学してからそうなってしまった。
サブはサブの場所があり、メインにはメインの場所がある。
決められた。
決められてしまった。
線引きをされてしまったのだ。
ああ、それでも君が笑っているのが嬉しい。
君はこの寂しい場所から放たれるのだから。
続
あれ?
段々暗くなってきたぞ^^
≪ 表と裏 03 | | HOME | | 表と裏 01 ≫ |