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テスト返却

「テスト返却するぞー」

担任の嬉しくとも何ともない声が聞こえて、隣の席の雷蔵と嫌な顔を浮かべては、点数悪かったらどうしようかなんて話してた。

「秋原ー」
「はい」

ガヤガヤと煩い教室。
みんなテストの点を眺めては、悪かったと嘆いたり思ったよりもとれていたと喜んだり。
私はもちろん後者で、雷蔵は残念ながら前者だった。
追試になるような点ではなかったが、平均よりは下回ったみたいだ。
眉尻を下げて点数を眺める雷蔵に、今度のテストはみんなで勉強会しようなって約束した。

そんな時聞こえた先生の名前を呼ぶ声と、女子生徒の静かな声。

「お前すごいな。今回一番良い点数だぞ!喜べ!」
「はぁ、ありがとうございます」
「お前はなー、もうちょっと表情筋を動かす練習しろよ!」
「はーい」

俺は確か97点だったはず。
それよりも上の奴がいたんだ。
すげぇな。
ただそれだけ思って、そしてすぐに興味は失せた。







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