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あの時のように、ととととと、と足音を鳴らして彼女は近寄ってきた。
「先輩先輩、黒木先輩」
あのふにゃりとしたはにかみ笑顔で。
彼女は今年、作法見習いとして忍術学園に入学したくノたまの一年生だ。
名は秋原伊織。小さな小さなふんわりとした女の子。
彼女とはこの間こけた所を目撃し、助け起こしたことから仲良くなった。
と言うよりも、僕が一方的に仲良くなりたいと思ったからだ。
僕は彼女に恋情を抱いたのだ。
ふにゃりとはにかんだあの笑顔が強烈に僕の脳を揺さぶった。
胸がぎゅっとなって苦しくて。きゅーって締め付けられて。
何か、腹底から温かいものが溢れて。
好きだと、思った。
それからの僕の行動は自分でも驚くほどに素早かったと思う。
さっと彼女に近寄って、助け起こして「ありがとうございます」と言った彼女に笑いかけて。
「怪我はしていない?」なんて優しい先輩ぶって、彼女の名前を聞き出して、ついでとばかりに自分の名前も名乗っておいた。
第一印象は良い方がいいだろう?
それから彼女は僕を見かけると挨拶をくれるようになったし、たまにたわいのない会話を交わすようになった。
それでも、彼女の中の僕の位置は『良い先輩』くらいのものだろうから、それをどうにかして変えたかった。
良い先輩なんて冗談じゃない。そんなの対象外だと言われているようなものだ。
ただでさえ年が四つも離れているというのに。
僕は必ず彼女を手に入れて見せる!
そう胸に誓って、まずは僕に懐かせることから始めようと計画を練ることにした。
続
計画的犯行な庄左ヱ門^^
伊達に五年も忍者してません 笑
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