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「ねぇ三郎。もしかして好きな人でもできた?」
同じクラスであり、また隣の席でもあり、なおかつ従兄弟である不破雷蔵は唐突に聞いてきた。
その言葉に三郎はきょとんと彼を見返す。
「は?」
何がどうなってそんな思考になったのか、三郎にはとんとわからなかった。
だが雷蔵は俺の返答が気に入らないのか、少し眉間に皺を寄せている。
「僕にくらい教えてくれてもよかったんじゃないの?」
誰にも言ったりしないし、からかったりもしないよ?
雷蔵は三郎が自分に話さなかったのは信頼されていないのだと、そうとったようだ。
だが、三郎には全く見当がつかなかった。
誰が好きな人がいるって?
「ちょ、ちょっと待て雷蔵!俺好きな人なんていないんですけど!」
「えー、まだしらを切るつもり?あんなにあからさまなくせに!」
「え!?いやいやいや、本当に全然全くと言って見当がつかないんだけど?」
「・・・・・・本当に?」
「ほんとーに!」
俺の必死さが伝わったのか、雷蔵は黙ってこっちを見ている。
そして「まさか、三郎・・・」と言って口を閉じてしまった。
いや、そこまで言ったなら最後まで言えよ!気になるじゃないか!
「まさか、なんだよ?」
「いや、うん・・・・・・本当に見当がつかないんだ、よね?」
「ああ」
「・・・・・・・・じゃあいいや」
「へ?」
「うん、僕の勘違いだったみたい」
にこにこ笑ってそう告げた雷蔵に、なんとなく納得いかない。
大体俺のどこを見てそう思ったっていうのだろう?
・・・・・・納得いかない。
続
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