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はぁ、いつも思うけど今日も全くついてない。
これも私の運命なのでしょうか、父ちゃん。
ぽかりと丸く浮かぶ空に、私はまたため息をつくのです。
今日も今日とて、四年い組の綾部喜八郎先輩が掘った穴の中、かすり傷を負った箇所を抑えながらため息をつくのです。
でも確かきりちゃんが「中在家先輩に教えてもらったんだけど、ため息をつくと幸せが一つ飛んで逃げて行っちゃうんだってよ!」と言っていたのを思い出した。
そうだ、ため息つくと幸せが逃げちゃうんだった!
急いで回収しなくっちゃ!
あわあわと手で顔の近くの空気をかいて、口の中にため息を戻そうとする。
口を手で覆って、ごくんと一つ飲み込んだ。
ため息一つ回収。さっき、もう一つついたから、また集めて飲み込まなくちゃ!
次はもうちょっと顔の上、頭のあたりを手でかいて、口のとこまでため息を持ってきた。
も一つもごもごごくん。よし!これで大丈夫!
「そこのキミー、だいじょーぶー?」
ため息を飲み込んだ瞬間だったから、驚いたし空気が喉に詰まったしで咳きこんでしまった。
・・・咳は大丈夫なのかな?
はたとそんなことを考えていたら、もう一度上から声がした。
だいじょーぶなのー?なんて、間延びした女の人の声。
・・・・・・・・先生かな?
「えっと、だいじょーぶですー!でも自分じゃ登れそうにないので縄梯子か何か降ろしてもらえないでしょうかー?」
「んー、わかった。ちょっと待っててー」
「はーい!」
なんだか親切な人みたいでほっとする。
もしかしたらくノたまかと思って警戒したけど、大丈夫そうだ。
良い人でよかった。も一つほっとする。
・・・安堵のため息の場合ってどうなるんだろう?
「ありがとうございました!」
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