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地に落ちた天女は【01】

あの日全てが変わってしまった。
青い空の中落ちてきた人。
叫び声を聞きつけてその人を助けたのは、俺の思い人だった。



イライラとした気持ちを制御しきれずに、次屋三之助は一人歩いていた。
今日は体育委員会がある日で、だけれど最近はまともな活動をしておらず、あの人を取り巻く人たちによって、委員会はその意味をなくしていた。
解散と言われたわけではなかったけれど、あんなに意味のない活動をしたところで自分に得になるものなど何もないと分かり切っていた。
だから一人場を離れた。
いつもならすぐに気付いて縄を放つ一学年上の滝夜叉丸も、なんだかんだと言ってすべてきちんと把握してその上で好きにさせてくれる体育委員長の七松先輩も、今日は自分に気付くこともなくすんなりと場を離れることができた。
その違和感は計り知れない。

学園がおかしくなってしまっている。

そう思うのはきっと俺だけじゃないだろう。
だって現に作も左門も、藤内に数馬に孫兵だって、どこかおかしいと首をかしげ、けれども決定的なものを見いだせないようではあった。
大きな違いなどあの人の他にないというのに。
きっと作も左門も藤内も数馬も孫兵も、少なからずあの人に対して好印象を持っているから気付けないだけだろう。
学園に今まで以上に笑顔が増え、どこか温かな雰囲気が立ち込めている。
それが悪いことなのだと誰も気付かない、分からない。

だけれど、何かは確実に動いていて、変わってきている。

いつの間にか、三之助は学園の端にあるじめじめとした、あまり人の寄りつない場所へと足を進めていた。
忍術学園は広いから、三年通っているけれどまだ全てを把握しきれてはいない。
だからここがどこで、ここからどう行けば長屋へ帰ることができるのか、三之助にはわからない。

だけど、まあいいか。そのうち作が探しに来てくれるだろう。
それに今長屋へは帰りたくなどない。
傍であの人とあの人を取り巻く人たちが楽しそうに笑っているから。

三之助は最近では日常になってきた温かな光景を脳裏に浮かべ、知らず知らずのうちに眉間へと深い皺が刻まれているのだった。







天女様のやつ書いてみたかったんだよね。
ってことで、天女様に恋した主人公に恋してる三之助のお話。
要約すると 天女様←主人公(男)←三之助 ってことですな^^
つまりこれはただの三之助夢であるwww

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