[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私は今この瞬間に目が著しく悪くなってしまったみたいだ。
眼科に行かなければ、そう眼科に!!
だから、ほら私の腕を早く解放してくれないか?
ようはさっさと手を離せと言う事なんだけれど、聞いているのかな?
鉢屋三郎君?
だいたい、何でこんなことになったんだ?
目の前には私たちの学校の、しかも学年内で人気のあるグループの中の一人、鉢屋君が私の腕を掴んで離さないというこの状況。
放課後の生物室へ来てくれと今朝机に入っていた手紙に書かれていて、何の呼び出しだろう?私なにかしたのかな?なんて考えて戦々恐々していたというのに!
なにこの状況!?
放課後すぐに生物室に来ても、早すぎたのか誰もいなくて肩すかしをくらった気分だった。
呼びだしといていないってどういう事?と思ったけれど、ここで帰るのもなんだか後が恐い。
だから待っていた。私をここに呼び出した人を。
でもまさかそれが、人気グループの中の一人、鉢屋君だとは誰も思わないでしょ?
だって彼との接点なんて、私と同じクラスに彼らの人気グループの一人、竹谷八左エ門君がいるってことくらいなんだもの!
だからさ、最初は鉢屋君が私に関係なく生物室に用があるんだと思ってた。
一度鉢屋君に向けた視線をまた窓の外に向けて空を眺めてた。
でも、鉢屋君出ていかないんだ。
何をしようともしない。
あれ?って思って、そしたらすぐ後ろで声が聞こえた。
「秋原」
振り向いたらすぐそば、本当にすごく近距離に鉢屋君がいて、いつも見せているようなにやりとした笑顔でも、太陽のような笑顔でも、人を食ったような顔でもなくて。
――真剣で。
ぽつり、一言呟いた。
最初、何を言われたかわからなかった。
真剣な顔して鉢屋君は呟いて、でもすぐに人を食ったように笑うから。
冗談なんでしょ?って思った。
でも、なんて言うか。
冗談に付き合ってられなかったし、呼びだした人はこないし、鉢屋君を無視ししてそのまま帰っちゃおうかって思った。
鉢屋君に「じゃあね」って声かけて、家に帰ろうと思って出口に向かおうとして。
パシッて腕をとられた。
鉢屋君は強い力で私の腕をつかんでいて、痛いくらいで、俯いていて表情は見えない。
「好きだ」
さっき言われた冗談。
さっきよりも真剣さが伝わってくる。
と言うより、焦り?が見える。
何で?あ、賭けでもしてるのかな?ゲームとか?
そう言うのなら、なおさら構っていられないんだけれど。
冗談でもこんなところ彼のファンに見られたら、私殺されちゃうじゃないか。
そう言おうとして、彼を見て、あれ?って。
「鉢屋君、耳真っ赤・・・」
「っ」
あれ?あれ?
だって、あれ?鉢屋君は私のことからかってるんだよね?
だって私との接点なんて何にもなくて、話したこともない人となんて、こんな風になったりしないでしょ?
でも、じゃあ、なんで?
なんで鉢屋君、こんな耳まで真っ赤で。
かぁぁぁぁって自分の顔に熱が集まる。
どうしようどうしよう。だって、これじゃあまるで、鉢屋君は本当に私のこと・・・!
空がだんだん黒ずんでくる。
だけど、彼につかまれている腕は一向に外れそうもなくて。
ああ、まだまだ帰れそうにない。
完
三郎www
あの告白ようつべ見て書きたい――――!!ってなって書いた^^
衝動書きってやつですねww
≪ 想い出は過去の出来事 | | HOME | | ◆ 03 ≫ |